(初めての方は「蒼井空太のブラック研究室脱獄記」から読むことをおススメします)
さて、
大学に行かないことを決め、
カウンセラーの先生に相談した俺。
その後は、
癒しになるような本を探そうと考え、
自宅でスマホを見ることにした。
スマホの画面を開くと、
着信が1件入っていた。
おそるおそるメールを開くと、
母親からのメールだった。
件名:大丈夫ですか?
本文:
大学へはちゃんと行けていますか?
准教授からは無理な課題を出されていませんか?
何かあったらすぐに連絡をください。
大変心配しています。
とにかくすぐに返信をください。
俺はこのメールを速攻でゴミ箱に放り込んだ。
本気で気色悪いと思ったからだ。
せっかく実家から逃げ出したのに、
どうして母親にメールでまで
監視されないといけないんだ
と思った。
つねに自分のことを
母親が心配していると思うと、
死ぬほど気持ち悪かった。
ただ、
メールの内容的には、
俺が今日大学をサボったことは
母親にはまだ知られていないようだ。
おそらく准教授は
俺が今日研究室に来なかったことを
誰にも連絡しなかったんだろう。
ひょっとしたら准教授はもう俺のことには
一切かかわりたくないのかもしれない。
それならそれで都合がいい。
俺が大学に行っていないことは、
家族にバレるのが遅ければ遅いほどいいからな。
俺はとりあえず母親に
件名:大丈夫です
本文:准教授から出された課題は簡単なものでした。
大丈夫そうです。
という嘘のメールを送った。
すると、
母親からはすぐにメールが返ってきた。
件名:よかったです。
本文:空太が私の言うことを聞いてくれるようになって安心しました。
もうあんな嘘をついて
お母さんを困らせないでくださいね。
それから空太は早く就職をしなければなりません。
ただでさえスタートが遅れてしまったのですから。
アフィリエイトなどと馬鹿な夢を捨てて、
現実をしっかり見てください。
今度就職活動の資料を送りますね。
「・・・・・・・・・・・」
うっぜえ・・・
いやもう、うざいの一言だわ。
とくに母親が、
なんとか俺を
自分の思い通りの人生を歩ませようと
しているところが鬱陶しかった。
(ちなみに俺はこのころから、
自分の母親を、人間ではなく
粘着質な化け物だと
考えるようになる)
結局、
この日は母親からのメールをすべて削除し、
眠りについた。
だが、寝る前の不快な感情が残っており、
ほとんど眠れなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、翌日。
この日も俺は大学をサボり、
ネットでアルバイトを探していた。
ひょっとしたら、
(今日こそは
准教授から親へ連絡がいくのではないか?)
とビクビクしていたのだが、
大学からは連絡はなかった。
しかし夜9時になったころ、
メールの着信音が響いた。
俺は急いでメールを開けると、
母親からだった。
内容は昨日とほぼ同じ。
「大学の2日目はどうでしたか?」
「とにかく心配です」
「それと、昨日のメールの最後の返事が聞けていませんが?」
「ちゃんと就職するということでいいですね?」
「ほんとうに大学へは行きましたか?」
「すぐに返信をください」
こんな感じの
脅迫めいた文章のオンパレード。
俺はもう
勘弁してくれよぉ・・・
って思いでいっぱいだった。
「いい加減にしろ!」
っていう怒りの感情と、
母親が必死にしがみついてくる恐怖
で、
もう爆発しそうだった。
その日も適当にメールを返し、
2日目が何とか終了した。
そしてそれからも、
大学へ行かない日々が続き、
母親からは毎日のように自分を心配するメールが届いていた。
俺はのらりくらりと
かわしていたが、
いつ母親にバレるかわからないという恐怖
と、
母親からの毎日のメール爆撃
のせいで、
今思い返しても、
このころのストレスが一番ひどかったな。
俺はなんとか救いを求めようとして、
ネットで癒しの本を探すことにした。
すると、奇跡的に、
俺の窮地を救ってくれる
運命の本
と出会うことになるんだ。
次回
今までの記事すべてが読める過去記事一覧はコチラ↓
このブログがあなたの成功に役立ちますように・・・。
蒼井空太
[…] 56記事目「毒親からの恐怖のメール」 […]